■作品内容
パスキ・ナナとはクーテナイ・インディアン
の言葉で「女の子」という意味。
何をやっても失敗ばかりで、ふさぎ込んで
ばかりいる少女は、自分を変えようと
決意し、森の中へ守護精霊をさがしに
行く。
そこには、自分の運命を一変させる
事件が待ち受けていた。『モホ・ワット』
『ナヤ・ヌキ』に続く好評シリーズ第3弾。
【著者紹介】
1930年ミシガン州生まれ。ミシガン大学
大学院修士課程修了。
小・中学校の教師・校長を経て作家に。
邦訳書に『モホ・ワット』『ナヤ・ヌキ』
『アメリカの空へ』などがある。
【書評から】
パスキ・ナナはクーテナイ・インディアンの女の子。何をしてもドジばかりのある日、
守護精霊を探しに行った山の中で偶然犯罪を目撃してしまう。そこから始まる
大逃亡劇。少女は精霊の守りを信じ、知恵と勇気をふりしぼって危機を乗り越え、
自身の力を開花させていく。愛を語り伝える祖母の言葉が深く温かい。(山下さ)
(『きみには関係ないことか〜戦争と平和を考えるブックリスト'97〜'03』
京都家庭文庫地域文庫連絡会・編/かもがわ出版)
◆
何をやっても失敗ばかりで、自分にまったく自信がもてないインディアンの少女
パスキ・ナナ。彼女が森の中で冒険に満ちた時間を過ごすうちに多くのことに出
会い、大自然と自分の命との大きな関わりに目覚めることで、生きることに自信
をもつようになっていくという物語です。
この本を読むと、私がかねてからぜひ自分の人生の中で取り入れてみたいと思っ
ていた、インディアンが行う成人になるための通過儀礼のひとつ「ビジョンクエ
スト」という儀式の意味をあらためて理解し、そしてさらにこの文明社会の中で
暮らすことで失ってしまったもの、特に日本の子どもたちが失ってしまったもの
の大きさに気づかされます。
私たちがかつてはもっていたけれどもすっかり忘れてしまい、そして今一番必要
としている命の繋がり、自然との繋がりを豊かに語ってくれるこの本は、大人は
もちろん、これから大人になっていく子どもたちにもぜひ薦めたい素晴らしい本
です。(湯川れい子)
(「シザブール」1999.11)
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