■作品内容
「街」をテーマに、地域の文化、人間模様を描いて大好評、
朝日新聞「むさしの版」「多摩版」好評連載の待望の単行本!
●もくじから
吉祥寺 ―― ハーモニカ横丁
きんぎょや/れぐるす/ばんかー …
三 鷹 ―― クリエイターズ
太宰治/三木露風/山本有三/瀬戸内寂聴 …
小金井 ―― 慕情
武蔵野夫人と大岡昇平/次郎物語/星野哲郎 …
国分寺 ―― 60's
中山ラビ/竜の子プロ/輪島功一 …
国 立 ―― わが街
山口瞳/邪宗門/おばQ/ロージナ茶房 …
立 川 ―― おもかげ
映画の町/立川大衆劇場/砂川闘争 …
日 野 ―― 家路
多摩平団地/さくらフィルム/多摩動物園 …
八王子 ―― ふる里
夕焼け小焼け/前田信三/ランドセル地蔵 …
【著者紹介】
文・三澤敦(みさわ・あつし)
1963年生まれ。早稲田大学教育学部卒業。瀬戸内海の島での役所勤務、スリラン
カでNGO活動に参加した後、北海道新聞記者などを経て97年朝日新聞入社。
福島支局、久喜通信局、社会部、新潟支局を経て現在東京総局員。
編著として『あのころみんな夢があった―追憶の越後100年の記録』『新潟のはて
な』などがある。
写真・千葉康由(ちば・やすよし)
1971年生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業。95年朝日新聞入社。
現在、東京本社映像本部写真セクション員。
【書評から】
中央線沿線の各街を訪ね歩き地域の歴史と人間ドラマを活写
(前半略)
旅は、戦後の闇市の雰囲気が今も残る吉祥寺駅前のハモニカ横丁からはじまる。
2坪の小さな店がハモニカの吹き口のように並ぶこの横丁に魅せられ、近年、占い
の館やエスニック雑貨店など新規参入の店が続々と誕生。これまでとまったく違った
店を開く古参店の2代目3代目も加わり、アジアのバザールのような怪しい空気をつ
くり出している。個性的な店を営む店主たちの横顔を紹介しながら商店街の改革に
積極的な新規店主たちと彼らの行動をクーデターだと騒ぐ古参店主たちの葛藤を
取材する。
(中略)
さらに60年代に和製ヒッピーコミューンの拠点があった国分寺や、戦後映画の街と
して名をはせた立川の映画館事情今昔など、上巻の本書では中央線を西に進みな
がら八王子まで8つの街が取り上げられる。
中央線文化に詳しい作家の三善里沙子さんによると中央線人の気質は「反骨」だと
いう。そんな反骨精神を懐に抱く有名無名の人物たちの人生のドラマを通し、それ
ぞれの地域の知られざる魅力を紹介した好読み物。
(日刊ゲンダイ、2005.5)
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JR中央線が東京と山梨を直結して100年を超える。今では、この沿線で流行する
文化・音楽、漫画やアニメ、料理などが、<中央線文化>という言葉で語られるほ
ど、独特の雰囲気を醸し出す。本書では、吉祥寺から八王子までの地域の人と文化
を紹介。駅ごとに異なる個性に驚かされる。(吉)
(「サライ」2005年8号・2005.4/21)
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