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 ハンリョ ノ シ ソレカラ
 「伴侶の死」それから

 

 ◆たった一人のあなたへ贈る、別れと再生の10の物語

  加藤恭子(かとう・きょうこ)編     

 本体 1,500円
 四六判・並製・240頁
 4-931178-20-0 / 1999.04

   ◆本書は「品切れ絶版」です。
 


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    内容紹介&書評
















 ■作品内容

長年連れ添った配偶者の死。残されたものはその後の 人生をどう生きてきていけばよいのか。
上智大学コミュニティ・カレッジに集った女性たちが、 十人の体験者の取材を通して、共に涙し考えた、 悲しみの置き場所。


《目次》
1 十三年の時をこえて
  ……山本三千子(1985年航空機墜落事故で夫を失う)
2 冷たく冴えた月の夜
  ……小野隆(1997年乳ガンで妻を失う)
3 一番弟子と言われて
  ……林順子(1997年食道ガンで夫を失う)
4 生を終えるということ
  ……神馬亥佐雄(1996年乳ガンで妻を失う)
5 葉山の海のやさしさに触れて
  ……ドロシー・ブリトン(1979年心臓病で夫を失う)
6 一日一課題
  ……加藤明(1993年脳梗塞で妻を失う)
7 満たされた思い出の中で
  ……尾井静代(1991年胸膜炎で夫を失う)
8 別れという名の解放
  ……岩崎和代(1990年脳梗塞で夫を失う)
9 天国の門
  ……木村伊代子(1996年胆嚢ガンで夫を失う)
10 あの夏の別れから
  ……和田俊(1993年甲状腺ガンで妻を失う)

【編者紹介】
1929年東京都生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了。
上智大学コミュニティ・カレッジ講師。専攻はフランス中世文学。
エッセイ、小説、翻訳など多彩な活動を展開。
著書に「日本を愛した科学者」「伴侶の死」等。

《編者からのメッセージ》 …… 本書より
昨日も、そして今日も、多くの人々が配偶者と別れている。
長く平穏な暮しを共にした末の病死だったり、中年の突然死や事故死など、 その”別れ方”はさまざまであろう。
しあわせな結婚生活を送った人もいる。問題にぶつかりぶつかり、やっと起伏を 乗り越えるような人生を送った人もいる。生活も別離の迎え方にも、諸相がある。
だが、愛し合おうが、いがみ合おうが、配偶者を失った人びとが等しく直面する ふたつの現実があるように思えてならない。
それは、相手は幽界に旅立ったのに反し、自分は生き残っているという現実である。
そして同時に、一緒に暮らそうが、別居しようが、その人とかかわりをもった何年間、 いや何十年間は、自分自身の中でも確実に死んだという現実である。
自己の中で失われる部分がどれほど大きいかは、人にもよろう。だが、相手の死と 自分の中での”死”――この二つによって、配偶者を失った人は押し潰されそうに なってしまう。喪失感に悩まされることになってしまう。この辛さは、もしかしたら、 同じ体験をした人しか分かってもらえない性質のものかもしれない。
それは、配偶者を失ったときの私自身の実感でもあった。
(――以下略)

【書評から】
愛し合おうが、いあがみ合おうが、配偶者を失った人々が直面するが、 生き残った自分という問題。病死、事故死、突然死など、つらい別れを 体験した10人のインタビュー集。生きるというのは、たとえ一人になっても もしかしたらすばらしいことなのかもしれない。
(「サンデー毎日」1999.5.9)
     
編者は夫を失った後、夫を取り巻いていた人々を訪ね、その生涯を辿る記録 した『伴侶の死』を著した人物。本書は上智大学コミュニケーションカレッ ジでノンフィクションの書き方の指導をする編者の生徒達が、配偶者を失っ た一人一人のインタビューをまとめたものである。
昭和60年の日航機墜落事故で夫を亡くした女性、ガンで妻を亡くした男性な ど、彼らが経験した別れはざまざまだ。そして、彼らが配偶者の死に何を思 ったかも、「悲しい」という感情だけではない。
登場する女性の一人は、今は亡き、感情の起伏が激しい夫に振り回された 日々について語る。そしてその日々から開放されて心の落ち着きを覚えると 同時に、そんな感情を持つ自分に罪悪感をもつ。全編を通してこのような葛 藤が率直に語れている。しかし、本書の力点はむしろこの葛藤からの脱出に 置かれている。(以下略)
(「清流」1999.8)
     
編者が受け持つ「ノンフィクションの書き方」講座の受講生たちが、伴侶を 亡くした人たちにそれぞれ取材したインタビュー集。
残された日記や友人が語る思い出をたどり、改めて伴侶と対話することで、 伴侶の死という現実を受け止めていく過程が描かれています。
「夫が残していったものがいろいろな形で引き継がれていって、そのことが 私を立ち直らせてくれる」という言葉が印象的です。
(「ミマン」1999年7月号)
     
その他、「25ans ヴァンサンカン」(1999年8月号)で、ノンフィクション作家の 最相葉月さんが、書評を書かれています。
















 読者のみなさまへ。

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読者からの感想・・・!

良い本にめぐり合えました。夫婦の絆は言葉では なかなか言い表せないものだと思います。
妻が元気なうちに後悔のない余生を送りたいと 思います。
(神奈川県、70歳、男性)
    
小生も妻を亡くして早や1年6ヶ月になります。
まだ立ち直る迄には時間がかかります。
本書を見て皆様苦労して生きていることが実感< としてよくわかります。
本書に記入されている方のは同じ別れでも主に 病死ですが、私共夫婦は交通事故でした。
生きるというのは本当に難しく、一人暮らしの さびしさが本当に感じられます。
(山形県、59歳、男性)
    
私も平成8年9月に夫に先立たれから生きる気力 をなくしていました。S53年にも次男を6才で失い、 何で私ばかりと思い、幸せに暮らしている人達を とてもうらやましく思って、性格も段々と暗く、 落ち込むばかり。
ふと新聞の記事で知り同じ立場の人達がどのよう に暮らしているのか知りたくて購入しました。
が、みんななかなか立ち直れない事を知り、同じ 仲間なのだと知り、もう自分なりに生きていけば いいやと思うようになりました。
(香川県、53歳、女性)
     
働き盛りの方々が世を去ったときの周囲の反応、 いずれの場合も、設定は違っても、不思議と共 通した点を感じた。実に感動した。
(東京都、65歳、男性)
    
結婚して53年6ヶ月、それまで一度も病気をし たことのなかった主人が、亡くなりました。
もう片羽根をもがれてしまったように落ち込んで、 本書を手にしました。皆様、それぞれ立ち直る よう努力されている中、私はもう後悔ばかりで、 何の甲斐性もなく毎日を過ごしております。
だめですねぇ。
(大阪府、74歳、女性)
    
私も去年9月末、主人を亡くしました。まだ、 訳の分からない怒りでいっぱい。その死が受け 入れられず、苦しんでいます。主人の死が無け れば、この本は手にしなかったでしょう。
この本を読むと、人皆、それぞれ違うことが 分かります。
(埼玉県、53歳、女性)
    
1編1編感動しました。話されている内容にも インタビューを基にまとめられている文章にも… けれども世の中の結婚した夫婦は二度と夫・妻 以外の人と恋愛したりしないのでしょうか。
相手への愛と尊敬が全編あまりにも同じような 質と量で語られていることに、裏の生活も合わせ もってい生きている者として複雑な思いをいたし ております。皆さんいいな。結婚の時に生涯最良 の伴侶と出会われて。
(匿名、女性)
      
読書の好きな私にとって、たて続けに読んだ貴社 の良書に感謝する。「人間性」にたち向かわねば ならない辛い時期をどう乗りこえたらよいか、 簡単な慰めの言葉に傷つき、いらだち、ふさぎ こんで過ごす時間に、ごく普通の人の「それから」 が、どんなに慰められたか。有名人、著名人だと 何かおしつけならぬこととか、周囲の人の言葉も その人個人より書き手に飾り言葉が連なって嫌な 後味があったりする。それがごく自然で、自分と 比較でき有りがたい良書であった。
(千葉県、65歳、女性)
    
人それぞれの人生観(余生)に戸惑い、感動し、
今後の指針となりました。
”天国の門”担当医の告知について一言。
担当医の独断的な告知は”仁”を忘れた権力者 の暴言である。家族・患者の心理は絶望感の中 にあっても”医”に対し一縷の望みを託して いるはず。読者も同様の処置を体験した。
医療ミスの激増、この罪の態度も傲慢である。
(新潟県、78歳、男性)