■作品内容
一人の子どもが、沢山の人たちに見守られて育った時代と比べ
ると、現代の子どもたちは可哀相です。いじめられ、差別され、
孤独の中で心が折れそうです。
いじめや差別は、どこから生まれるのか? 伝統社会で培われ
た人間関係の知恵を元に、その本質を解き明かし、乗り越える
勇気を与えてくれる「考えるえほん」
(本書のもくじより)
@子どもはみんなに見守られて大きくなります
A一人の転校生が教室を変えた
B地球は人間だけのものではありません
C差別の心はどこから生まれるのでしょう
Dいじめられたり、いじめたり
【著者紹介】
文・波平恵美子
1942年福岡県生まれ。九州大学大学院博士課程単位取得満期退学。
お茶の水女子大学名誉教授。前・日本民族学会会長。「ケガレ=不浄」論や医療
人類学など、多方面で活躍中の日本を代表する文化人類学者。
著書に「いのちの文化人類学」「ケガレの構造」「暮らしの中の文化人類学」など。
絵・塚本やすし
1965年東京生まれ。イラストレータ・デザイナー・装丁家。
主な共著に「ふたり おなじ星のうえで」(文・谷川俊太郎)「夏の洞窟」(文・荒川
じんぺい)「保健室にいたらだめなの?」(文・こんのひとみ)など。
【書評から】
生きる根源 考える支えに
自分が死んだら世界はどうなる? 命って何? 人は思春期に、そうした根源的
な問題に初めて立ち向かう。それが「生きる力」になると、お茶の水女子大名誉
教授で文化人類学者の波平恵美子さんが、考えるヒントを少年少女に提供するエ
ッセーシリーズの刊行を始めた。(中略)
◎
第二巻は「きみは一人ぽっちじゃないよ」。
家出をしようとする女の子に、近所のおばさんが「傘がいるよ。もうすぐ雨が降る」
と声をかける場面がある。女の子が家を出ようとしているのを知っていたのに、
おばさんはなぜ止めずに、そんな言い方をしたのだろか、と読者に問う。
二巻はほかに、いじめや差別について考えるヒントも盛り込んでいる。
波平さんは「文章には意味が二重三重に隠されているので、一年に一度、自分の
誕生日に読み返してほしい。もっとすばらしい分かり方ができるかもしれません」
と話す。
(信濃毎日新聞 2007.12.3、愛媛新聞12.11/共同通信社配信)
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