■作品内容
尽きることのない性の深淵をめぐり、
魂は時空を飛翔する…
「桃李は言わざれども、下自ずから蹊を成す」
人間の尽きることのない性への欲望を、現代の枕絵師・
山口椿が、幅広い教養をもとに軽やかに時空を超え、
縦横無尽に綴って好評を博した「いろばなし」(『問題
小説』1997.2〜99.1連載)をまとめた待望の単行本。
色香漂う文と春画が奏でる絢燗たる耽美の世界。
ファン必見の直筆画46点を収録。
【著者紹介】
1931年東京神田三崎町生まれ。作家・画家・チェリスト。1959年パリ、ピエール
ギュモン国際コンクール銀賞。作家としては60歳から著作を重ね10年間に50冊
を上梓。主な作品に『雨月物語』(小学館)『逝く夏に』(文芸春秋)『黄昏の
ヴェネツィア』(徳間書店)『中国残酷物語』(幻冬舎)『闇の博物誌』(青弓社)
など多数。画家としては上田秋成の眠る京都西福寺の襖絵連作『雨月物語』を
制作。2003年春第8回NICAFに「幽霊画」を出展。
【書評から】
無粋が跋扈する世知辛いご時世にあって、ホンマもんの「粋」を感じさせてくれる
数少ない大人といえば、山口椿御大。手がけるものすべてが文句なしに一級の
腕前であり、それがまた板についているっちゅうところが、正真正銘の粋人の証。
ことにその文学と画業は目に触れる機会が多いワケだが、多くの作品に触れれば
触れるほど、その豊饒かつ深遠な表現の業に打ちのめされちまう。文章から立ち
上がるエロスの芳香、どんな短いものであっても、言葉が尽くされている。穏健な
文体であっても凄みを感じずにはいられないっす。それは、本書に収録されたあぶ
な絵も同様。表層的なエロスばかり享楽していないで、時に山口椿御大の作品で、
襟を正すこともヒツヨーですぞ。
(『SMスナイパー』2003.3)
◆
今も昔も変わらぬものは男女の性、ご存知、山口氏が『問題小説』に連載されていた
ものを修正収録した1冊。尽きることのない性の深遠を、独特の色香で綴った珠玉の
色話。さまざまな色話から直筆画46点も収録。まるで漆黒のビロードのような怪しい
手触りを想像させるような世界に1600円で入れます!
(『アックス no.31』2003.3)
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