■作品内容
小学校での英語をつかった国際理解教育を提唱して注目を集めるGITC代表が
提案する「人とつながり、世界とつながる英語」。著者のバイタリティーあふれる
半生をもとに綴った夢と勇気とエネルギーいっぱいの新・英語教育論。
【著者紹介】
1958年東京都生まれ。コロンビア大学教育大学院にて言語教育を通した
国際理解教育を専門に研究。
現在、グローブ・インターナショナル・ティーチャーズ・サークル代表。
【書評から】
米国留学と2度のアフリカ駐在の経験から日本の英語教育に疑問をもった著者は
「人とつながり、世界とつながる英語」をテーマに英語教育研究所「グローブ・
インターナショナル・ティーチャーズ・サークル」(八王子市)を92年に設立し
た。教員向けに教材を作り、セミナーを開くほか、小学校の総合的な学習の時間
に、英語を使った国際理解教育を勧めている。
これまでの歩みを綴ったのが本書。著者は高校の英語の成績が「3」だったが、
小説を言語で読みたい一心でオレゴン州の大学に進学。コロンビア大学大学院で
言語教育を通して国際理解教育を専攻した。帰国して交際海外協力事業団青年海
外協力隊駒ヶ根訓練所の講師に。結婚して夫の任地リベリアで英語学校副校長に
就任し、子どもを産み、多くの友人を得た。しかし内戦の激化で緊急帰国した。
(中略)
留学や海外ボランティア、英語教育に興味のある人に役立つだけでなく、バイタ
リティーあふれる行き方は多くの人を励ます。
(アサヒタウンズ2000.9.2)
吉村峰子さんのワークショップでの語りをさして「バナナのたたきうり」のよう
だ、と評した人がいた。なるほど彼女のナマの語り口は迫力があり、パパーンと
言いきる強さと人をひきつける魅力がある。
その信念を支える哲学はどこからきていたのか。彼女の英語との出会い気づき、
そして、豊富な地球規模での人びととの交流の履歴が読みすすめるうちに見えて
くる。「学校英語非優等生」であった彼女のアメリカ留学の日々、特に第2章の
「学生が『学び』をデザインする」、そしてデンマークでの教育実習などを描い
た、第3章の「『ことば』の深さとおもしろさ」を興味を持って読んだ。
(中略)
英語をどう教えるか、というテクニックを越えて、「学び」をどう拓くか、とい
う点でヒントが得られるのが本書の特徴だ。青年海外協力隊の若者との授業風景、
エチオピアの英語教育などユニークな体験談も楽し
める。読み終わって、英語の翼で、世界に飛び出したくなる一冊である。
(柏村みね子) (「新英語教育」2000.3月号)
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