■作品内容
いつの間にか私たちの生活に浸透し、欠か
せないコミュニケーション・ツールと
なったE-メールとは、何なんだろう。
街を歩くことをこよなく愛する著者が、
人生の半ば過ぎで巡り合ったE-メール。
オンラインに居を構え、友人知己や見知
らぬ人からの通信と情報の洪水の中でE-
メール生活の快楽と魔力を綴る。
【著者紹介】
1940年東京都生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業。
出版社勤務ののち、フリーに。
現在、ノンフィクション作家。著書に「東京のBar」など。
【書評から】
アナログ人間のデジタル日記に◎
インターネットやメールに関する事件や問題を挟みながら、自身のメール生活を
綴った、デジタル人間じゃない人のデジタル日記なんだ。日々顔を合わせずに仕
事をし、声を聞かずに友人と待ち合わせをする様子が繰り広げられる。手書き文
字より面倒が無く、電話より気兼ねがいらない。メールはカジュアルなだけじゃ
なくて、僕みたいな小心者で無精な人間に向いている伝達手段なんだねぇ。
そして思わず唸るような問題も、ポンと提示する。個人的なメールも全てチェッ
クされているアメリカの恐怖は殆ど小説みたいだけど、考えたら郵便やファック
スよりsずっと管理しやすい道具なのかもしれないなぁ。メールの洪水に揉まれ、
パソコンのご機嫌を伺いながらあれこれ考えている著者の姿が妙に微笑まし
い。でもこの人、しょっちゅう酩酊状態なんだよね。(高野ひろし)
(「本の雑誌」2000.3)
◆
情報通の著者によるE-メール日記。日に何十通も受け取るというメール生活を楽し
みながらも、メールのマナーや受信者に人一倍気を使う著者は言う。E-メールは、
人と人をつなぐピュアな存在。話し言葉のような気軽さはあるが、言い間違えても
文字は残る。手紙を書くときほどの入念さはないが、相手に与える生の感情のイン
パクトは手紙に劣らない、と。
各ページにインターネット用語の詳しい解説が付き、おすすめの1冊。
(「Active English」3月号)
|