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 チクゴガワトエイエンナレ
 筑後川よ永遠なれ

 ◆團伊玖磨記念『筑後川』流域コンサート、二十年の軌跡

 中野政則 (なかの・まさのり) 著

 本体 1,700円
 四六判・上製・264頁
 978-4-931178-90-8 / 2018.04

 
 


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    内容紹介&書評
















 作品内容


「この川を流域の人たちと一緒にコンサートをしながら下ってみたいね」

その言葉を遺して、作曲家・團伊玖磨は2001年5月に訪問先の中国で急逝した。

これは、團伊玖磨の遺志を継ぎ、これまで誰もやったことのない連続流域コンサートに 定年後の人生を捧げた著者と全国の愛唱者たちとの感動の物語である。
2018年、混声合唱組曲『筑後川』は作曲50周年を迎える。
  


  ●合唱組曲『筑後川』
  團伊玖磨・作曲、丸山豊・作詞、1968年初演。
  九州を代表する大河「筑後川」をテーマに源流の阿蘇から河口のまち大川で
  有明海に注ぐまでを、全5章で構成。初演以来、全国の合唱団で愛唱され、
  楽譜の売上げは17万部を突破する團の代表曲である。

【著者紹介】
1940年、熊本県生まれ。「團伊玖磨さんの音楽を楽しむ会」代表。
ブリヂストン在職中、創業者石橋正二郎と久留米の歴史文化継承活動に務める。
在職中、石橋幹一郎社長に引き合わされた作曲家・團伊玖磨と親交を深め、 團の九州での音楽活動を支えた。定年退職後、團の九州作品をプロデュースする 「團伊玖磨さんの音楽を楽しむ会」を主宰する。團伊玖磨が中国で客死した後は、 その遺志を継ぎ、日本初の連続流域コンサートを成功させる。
2017年、その地道な音楽活動が評価され、第4回JASRAC音楽文化賞が授与された。
主な著書に『團さんの夢』『正二郎はね』(共に出窓社)などがある。
*2018年4月4日逝去。本書を校了した翌日だった。
  「團伊玖磨さんの音楽を楽しむ会」

【書 評】
九州ゆかりの数多くの合唱曲を残した作曲家・團伊玖磨。代表作「筑後川」初演に携わった 著者は、定年後の人生を埋もれた作品の発掘と再演に捧げ、今年4月に亡くなった。
遺稿である本書から浮かび上がるの、創作の舞台となった郷土と、そこに住む人々の思いを 結びつけた音楽の力だ。 (「本よみうり堂」読売新聞 2018.7.8)
   
團伊玖磨さんの合唱組曲『筑後川』を、源流から河口まで作品の標題に沿って、舞台となった 地を巡りながら歌い継いでいく「團伊玖磨記念『筑後川』流域コンサート」。2002年から5年間 開催され後も、そこに集まった人々の思いに後押しされ、中国・蘇州での開催(2007年)、 さらに九州のみならず東京・江戸川区や八丈島など縁の地でも継続されています。
当欄でも出演者募集のお知らせをたびたび掲載してきました。(中略) 中野さんがこの「『筑後川』流域コンサート」の歩みをまとめた本がこのほど出版されました。
題して『筑後川よ永遠なれ』。團さんの夢を引き継ぎ、事務作業を引き受けてくれた奥様と 二人三脚で、その夢を形にしていった足取りが克明に記されています。
ひとつの合唱曲が、いかに人の心をつかみ、動かしていったかの、心震える記録でもあります。
今年、『筑後川』は初演から50周年を迎えます。そして本書の刊行直前の今年4月、中野さんは 急性白血病で帰らぬ人となりました。奇しくも團さんと同じ77歳でした。
 (『ハーモニー』第185号、2018.7.10)

   
著者の中野政則氏(4月4日逝去、享年77歳)は、1965年以来、作曲家の團伊玖磨氏 (当協会元会長)と交友があった。今年、團伊玖磨氏が混声合唱組曲「筑後川」を 作曲して50年を迎える。著者は、團氏が訪問先の蘇州で逝去した翌2002年に「團伊玖磨さんの 音楽を楽しむ会」を設立。その後毎年「團伊玖磨記念『筑後川』流域コンサート」を開催し、 07年には蘇州市呉中区人民大会堂での公演に尽力。團氏の「筑後川の水はやがて、揚子江の水 と合体する」という遺志を引き継ぎ、「團作品」の魅力を次世代へ伝える活動が評価され、 昨年にJASRAC音楽文化賞を受賞。
本書は、晩年に白血病を患いながらも執筆した遺作である。《W》
 (「日中文化交流」No.867 2018.6.1)
    


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読者からの感想・・・!

61ページの河内中学校に勤務していました久次です。
中野様ご夫妻との長いおつきあいで生徒たちをステージに立たせていただくことができ大変嬉しい思い出となっています。
大好きな混声合唱組曲「筑後川」と中野さんの情熱が重なり、涙・涙・涙です。
私の筑後川コンサートの追っかけもピリオドを。
しかし、私の心の中に流れ続けていくでしょう。
  (大分県・女性・68歳)

     
著者の中野政則さんには、制作された「筑後川」のCDを注文した御縁で、何度かお目にかかり、お話を伺うことができました。
本書での筑後川流域のコンサート実現に奔走される中野さんのお姿が目に浮かぶ様です。
残念ながら4月に亡くなられたとのこと。
今後も「筑後川」を聞くたびに中野さんを思い出すことになりそうです。
  (東京都・男性・50歳)

     
故人の記録がすごく手に取る様に分かり、あたかも私もそこに居たかの様でした。
故人との思い出も多いので、涙なしには読めませんでした。
  (大分県・女性・82歳)

     
この筑後川流域コンサートのご成功は、主催者である中野様ご一家のご尽力はもとより、なんと申しましても、小国町のご対応によるところが、大きいと思います。
いわゆる幸先の良いスタートを切られたことになります。
私は八女混声合唱団の一員として、一巡目の二回目(吉井町)からの参加ですが…。持ち歌は「筑後風土記」でした。
  (福岡県・女性・82歳)